2010年09月15日(水)

住宅展に参加するために香川県へ。
そのついでに、前から見たかった建築をいくつか見てきました。
最初は、瀬戸内海歴史民俗資料館(設計:山本忠司)。
日本建築学会賞も受賞している建築です。
石やコンクリートの使い方が荒々しく、力強い。
中庭をぐるっと回るように展示室を配置。
元の傾斜した地形に沿うように床が造られているから、
あちこちに階段があって楽しい空間になっています。

続いて、東山魁夷せとうち美術館(設計:谷口吉生)。
石とコンクリートが均一で美しい。
瀬戸内海歴史民俗資料館とは対照的です。
順路最後の海の見える喫茶コーナーが気持ち良かった。

最後に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(設計:谷口吉生)
駅前に「どーん」と構えています。
内部は美術館では珍しく自然採光が取られていました。
空間は当然のこと、細部まで徹底的にこだわって造ってます。
いやー、どの建築も良かったです。
中澤博史/中澤建築設計事務所
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2010年04月24日(土)

建物を計画するとき、近辺を散策します。
街並みを見て、どんな建物が良いかな、なんて考えながら…。
そこで目にした、ちょっといい感じの路地。
ゴミ箱にエアコン室外機、それにビールケース。
思いっきり生活感ただよう風景ですが、
覆いかぶさる緑が、いいんですよ。
トンネルのようになっていて、その先に行ってみたい。
なんて思わせてくれます。
それから、向こうに見える階段。
この階段があることで、単なる建物同士の隙間から、
使われている通路になっているのが分かります。
そこに生活が見え隠れするから、余計に魅力を感じるのですね。
路地というのは、その狭さが良いと思うのです。
狭いからこそ、足を踏み入れてはいけないような、
独特の雰囲気があるのだと…。
このドキドキ感は、大人になっても変わりませんね。
こんな魅力ある空間は、つくろうと思ってもなかなかできないです。
いつまでも残って欲しい風景ですね。
中澤博史/中澤建築設計事務所
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2010年03月26日(金)

鉄をさびにくくする方法の一つに、溶融亜鉛メッキという加工があります。
鈍い銀色をしたガードレールがその加工をしたもの。
ドロドロに溶かした亜鉛の中に鉄の部材を浸け、さびにくい被膜をつくります。
と、エラソーに言っていますが、その工程を見たことがありませんでした。
(なかなかタイミングが合わなくて…)
それで先日、現場の職人さんが引き取りに行くタイミングに合わせて、同行させてもうことに。

どかーーーーん!
カ・タ・マ・リ
鈍くひかる亜鉛のインゴット、存在感を放っています。

これがメッキ槽。
亜鉛がドロドロに溶けています。
その温度450℃。熱気がすごい!
一見、固まっているようにも見え、不思議な感じ。
水以外の液体が溜まっているのを見るのは、はじめてかも…。
この中に、鉄の部材を浸けていきます。

汚れた作業着で一生懸命、仕事をされている姿が印象的でした。
おそらく、どこで使われるのか知らずに黙々と…。
現場に入ってくる材料の全てが、誰かの手によって造られている。
そのことを改めて認識しました。
百聞は一見にしかず、モノづくりの原点を見た気がしました。
中澤博史/中澤建築設計事務所
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